映画「鍵泥棒のメソッド」は、2012年に公開されたサスペンスコメディ。練りに練った脚本が魅力の一つ。そして、今ではすっかり、「半沢直樹」の名コンビとして語られる、堺雅人と香川照之。
この映画では、堺雅人は売れない貧乏役者、香川照之は記憶喪失の殺し屋を熱演しています。

毎年約150本の映画を観る
映画好きなさりなが
「鍵泥棒のメソッド」
ネタバレあらすじ・結末・感想について
お話しします。
「鍵泥棒のメソッド」作品情報


鍵泥棒のメソッド | |
公開日 | 2012年9月15日 |
上映時間 | 128分 |
監督 | 内田けんじ |
原作 | 内田けんじ |
キャスト | 堺雅人 香川照之 広末涼子 荒川良々 森口瑤子 |
- 第36回日本アカデミー賞
- 最優秀脚本賞:内田けんじ
- 優秀主演男優賞:堺雅人
- 優秀助演男優賞:香川照之
- 優秀助演女優賞:広末涼子



役者はもちろん、
脚本が高く評価されているね!



その脚本、堺雅人・香川照之・広末涼子といった
役者が揃っているので、目が離せない映画に
仕上がっています。
「鍵泥棒のメソッド」出演者(キャスト)
「鍵泥棒のメソッド」の出演者には、堺雅人・香川照之という半沢直樹コンビがいます。
「倍返し」しない堺雅人に、うろたえる香川照之。
大人気ドラマ、半沢直樹と見比べてみるのも楽しいですよね。
桜井武史:堺雅人
35歳になる元劇団員の青年。不器用で大雑把な性格が災いするのか、何をやってもうまくいかない。が、どこかひょうひょうとしていて憎めない。
コンドウ / 山崎信一郎:香川照之
コンドウと名乗っている殺し屋。かなり几帳面な性格。
水嶋香苗:(広末涼子)
34歳の雑誌編集者。予定通りにものごとを進めないと気が済まない性格。現時点では恋人もいないのに、なんとかあと二か月のうちに結婚したいと考えている。


「鍵泥棒のメソッド」あらすじと紹介(ネタバレなし)
☑ 几帳面な殺し屋コンドウと、自殺しそびれた元劇団員桜井。この二人の人生が、ひょんなことから互いの人生が入れ替わってしまい、そこからそれぞれに恋愛や物騒な殺人事件へと巻き込まれていくサスペンスコメディ。
人生が入れ替わってしまう映画といえば「転校生」や「君の名は。」が有名ですね。
でも、こちの映画はそれらのパターンとは少し違うんです。
どんなふうに入れ替わって、どんな事件に巻き込まれていくのか。コメディ映画だけあって、本人たちがシリアスなシーンでも観客は思わず笑いがこみあげる場面もたくさん。
こんなとき、おうち映画だと劇場とは違い、思いっきり声を上げて笑えるところがいいですよね。劇場だと、他の人と笑いのタイミングがずれてしまうと、なんだか恥ずかしかったり申し訳なく思ったりするので……。
サスペンスと言っても、そこまでシリアスで怖いシーンは出てこないので、家族そろって笑いながら見るのもオススメです。
「鍵泥棒のメソッド」あらすじ(ネタバレあり)
「鍵泥棒のメソッド」あらすじ【起】
水嶋(広末涼子)は、仕事のできる雑誌編集者。几帳面な性格で、手帳をつけるのも熱心だ。ある日の仕事中、業務報告と共に「二か月後に結婚します」とチームのメンバーに伝える。驚くメンバーに「でもまだ相手は決まってないので、良い人がいたら紹介してください」と付け加え、さらに皆を驚かせたのであった。しかし、本人はいたって大真面目。さて、この結婚実現するのでしょうか?
コンドウ(香川照之)は、高級車の中でクラシック音楽を聴いている。アラームのタイミングで外に出て、見事な手腕で男性(岩城社長)を刺殺して、トランクへと押し込んだ。血痕が飛び散ったレインコートや手袋を手際よくゴミ袋へと突っ込んでいく様子は手慣れた感を示している。
桜井(堺雅人)は、散らかった自室に倒れていた。彼はほどなくして、首つり自殺に失敗したことに気が付く。ふと思い立って財布の中身を全部出してみたが所持金は千円ちょっと。しかし、そこに銭湯の無料チケットを見つけ、出かけることにした。
一方、コンドウはまだ車の中にいた。どうやら渋滞にはまってしまったらしい。ふと手を見ると、血液が飛び散っていた。仕方なくコンドウは銭湯へ行こうと考える。
桜井はコンドウの財布をちらりと見てぎょっとした。大金が入っていたのだ。しかしどうすることができるわけもなく、桜井は銭湯へと入る。ほどなく遅れてコンドウが入ってきたが、石鹸に足を取られ大きく滑って頭を打ってしまった。その拍子にロッカーの鍵がコンドウの手を離れ、桜井のもとへと飛んでいく。桜井はそれを拾ってコンドウに返そうとした。しかし、コンドウが気を失って救急搬送されることを知り、そっと鍵を入れ替えることにした。
桜井はコンドウの金と車を使い、昔の友達や元カノに借金を返して回る。最終的に病院に入院しているコンドウに残った金や服を返すつもりで病院に来た。しかしそこで、桜井はコンドウが記憶を失っていることを知る。
桜井はコンドウと自分の人生を丸ごと入れ替えることを思いついた。そのまま、コンドウには事実を告げずに病院を後にする。
場面が変わって、水嶋が病床の父を見舞っていた。病床の父は、早く娘である水嶋の結婚する姿が見たかったのだ。父親に結婚の話をにおわせつつ、病室を後にする水嶋だった。
一方、コンドウは記憶はないものの外傷も認められず無事退院できることになった。自分の家に帰ろうとするが、方向が良くわからない。偶然、病院の前にいた水嶋に声をかけた。水嶋は、コンドウを家まで送っていくと提案した。
コンドウの家に押し掛ける水嶋。コンドウは自分の家が散らかっていることに驚きつつも、所持品から過去を洗い出そうとする。劇団員だと聞いて、水嶋もそれを調べることを提案した。
その頃、桜井も免許証の住所を頼りにコンドウの家へとたどり着いていた。
「鍵泥棒のメソッド」あらすじ【承】
コンドウは自分の過去を探るべく、同じアパートの人に聞き込みを開始するが、誰も「桜井」のことを知らなかった。
桜井は、コンドウの持ち物の中から丈夫なロープを選んで自殺しようと物色する。が、なんとそこで数々の変装道具や拳銃を見つけてしまう。拳銃自殺をはかろうとするが、電話が鳴ってきて中断してしまう。その電話に出てみるとギャラ500万円の引き渡し方法の相談だった。桜井は自分のアパートの郵便受けを指定する。
一方、コンドウは桜井が書いたスケジュールに従い、エキストラの現場へと向かった。記憶はないものの、真面目なコンドウは真剣に、売れない俳優としての自分の過去に向き合っていた。
桜井は、自分のアパートへ500万円を探しに戻り帰宅してきたコンドウに遭遇。招かれた自分の部屋は信じられないくらい綺麗になっていた。そこに、水嶋もやってくる。コンドウは桜井が書いた遺書を披露し「こんな風に生きていたら死にたくなるのもわかる」などという。いたたまれなくなった桜井は、自分の部屋を後にした。
桜井はヤクザの工藤に捕まる。コンドウは今まで素顔をさらしたことがないので、工藤はコンドウが偽物だとは気づかなかった。コンドウが冒頭で刺殺した男は岩城社長といい、工藤と山分けするはずの金を持ち逃げした男だった。工藤は岩城を始末したものの肝心の金が見つからなくて焦っていた。そこで、今度は岩城の愛人綾子から金のありかを聞き出し始末するよう依頼する。
桜井は、コンドウの過去について調べはじめる。
「鍵泥棒のメソッド」あらすじ【転】
記憶を失っているコンドウは、水嶋と親交を深めていく。
几帳面な性格の彼は、役者としての勉強をしながら、水嶋の出版社でバイトも始めた。水嶋はコンドウにプロポーズし、コンドウは驚きつつもそれを受け入れた。
そんな水嶋のもとに一本の電話が入る。それは、父親の死を告げるものだった。余命宣告されていた父親を安心させるために、水嶋は結婚を急いでいたのだ。しかし、間に合わなかった。
水嶋は葬儀の後コンドウを自宅に招き、父親の愛用していたレコードを聴かせた。偶然にもそれは、コンドウが好んで聞いていたクラシック音楽で、コンドウはそこで記憶を全て取り戻し水嶋の前から姿を消した。
桜井は綾子を殺すことなどできないので、逃すために計画を立てる。しかし、綾子の周りには盗聴器がしかけてあり、工藤に筒抜けだった。工藤に捕まりそうになった桜井は慌ててコンドウのマンションへと帰る。しかしそこにいたのは記憶をとりも出したコンドウだった。なお、コンドウは仕事のための偽名。本名を山崎という。
コンドウは桜井のずさんさに腹を立てていたが、桜井の人生をもらうことと引き換えにこの窮地から助けてやると持ち掛けてきた。実は、コンドウは殺し屋ではなく、殺しの依頼を持ち掛けてきた人を殺したふりをしつつも秘密裏に逃がしてあげる便利屋だった。殺しの依頼をしてきた相手と、殺される予定の被害者、両方から金が入るという仕組みだ。
今回も、顔を知られていないコンドウ(山崎)は桜井演じるコンドウの部下になりすまし、工藤に連絡を取って桜井や綾子を救おうと企てるのだった。しかし、桜井は致命的に芝居が下手。コンドウは呆れながらも桜井に芝居の稽古をつける。
「鍵泥棒のメソッド」あらすじ【結】
コンドウ(山崎/以降山崎と表示)と桜井は一芝居うって工藤の目を欺こうとするが、そこに事情を知らない水嶋があらわれて計画は台無しになる。
山崎と桜井、そして水嶋は工藤の追ってから逃げるために車で逃げだした。
山崎は、桜井と水嶋に逃げるように指示を与え、一人で工藤のもとへと乗り込んでいく。山崎は金でかたをつける予定だったのだが、桜井が使い込んでいてその手は使えなくなってしまった。工藤に捕まってしまった山崎は、コンドウの始末を自分につけさせてほしいと頼み込む。
桜井と水嶋は、綾子の家に乗り込んで綾子を殺害した芝居を打ち、工藤の到着を待った。桜井は渾身の力でコンドウを演じる。しかし、現場に血の匂いがしないことで、工藤に芝居がばれてしまった。
危機一髪の状況で、突然水嶋が「この家には2億円ある」と暴露した。実は、なんでもないような絵画やギターや家具など、その部屋にあるものはビンテージ品だったのだ。金が手に入れたかった工藤は、山崎・桜井・水嶋・綾子を見逃して部下たちと一緒に部屋の物を運び出すことにした。
しかし、山崎が警察に通報したことで工藤と部下たちはつかまってしまう。
山崎は水嶋に別れを告げ、桜井にアパートの鍵を返した。
悲しみに暮れた水嶋はスケジュール帳から「結婚」の文字を消す。しかし、ふと山崎が記憶を失ったときに自分を取り戻すために書いていたノートを広げてみると、「好きなもの」の中に「水嶋香苗」の文字を見つけ、胸がきゅんと高鳴るのを感じた。山崎が現れ、二人は思いっきり抱き合うのだった。
「鍵泥棒のメソッド」感想・評価・レビュー
さりなの勝手に評価 ★★★★★★★☆☆☆(7/10)
脚本がしっかり練りこまれ、役者もそろって芸達者。2時間超えの長さを感じさせないテンポの良さ。
邦画のコメディ映画を楽しみたいなという方におススメしたい映画です。
真面目で几帳面なコンドウと、行き当たりばったりな桜井。そこに現れるもう一人の女性は、一日でも早く誰かと出会って結婚したいと焦っている水嶋。三人の性格の違いは、わかりやすく細かく描かれています。それぞれの登場人物が、真剣になればなるほど、観客は笑ってしまう。そして、コメディ映画にひっそり仕込まれている「どんでん返し」もこの映画の魅力です。騙していたはずが、騙される。驚愕する桜井の表情にも注目ですよ。
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