あらすじ【起】
AN通信とは、表向きはアジアのニュース配信会社。しかし、その実態は世界を股にかけて、国や起業の裏で重要機密情報を入手、売買している極秘エージェント組織である。
所属しているエージェントたちは秘密保持のため、心臓にチップ(小型爆弾)を埋め込まれている。
この爆弾は、24時間ごとの本部への定期連絡を怠ると爆弾が起動し、5分後に爆発してしまうというものだ。
さて、ブルガリアのとあるアパートに、AN通信のエージェントの一人、山下竜二(市原隼人)が監禁され、手ひどい拷問を受けていた。
心臓のチップが起動し、あと5分で爆発する。
そこに同じくAN通信の鷹野と田岡が救出に来る。
なんとか山下を救い出したものの、チップの暗号解除に間に合わず山下は死亡してしまった。
鷹野と田岡は、山下が何を探っていたのかを調べる。中国の大手企業CNOX(シーノックス)の社長、アンディ・黄(ウォン)を探っていたことを突き止めた。
ウィーンのコンサートにウォンが来るというので、鷹野と田岡も足を運ぶ。
そこには、同じく産業スパイであるデイビッド・キムの姿があった。またウォンが連れていた正体不明の美女・AYAKOが鷹野に声をかけてきた。AYAKOは、鷹野がAN通信のスパイであることを知っていた。
あらすじ【高校時代の鷹野】
高校時代の鷹野について(映画では本編と交互に話が進みますがまとめて紹介)
高校時代の鷹野は南蘭島で暮らしていた。
18歳の誕生日を迎えたらAN通信で働くこととなるため、そのための修行も兼ねていたのだ。
友人には同じ境遇で育てられている柳がいた。柳には手のかかる弟、カンタがいる。
夏のある日、鷹野と柳と弟で、こっそり女子更衣室を覗く。そこには、東京から転校してきたばかりの同級生、菊池詩織の姿もあった。菊池に気がある鷹野は、菊池の姿を見せたくなくて、柳ののぞき見の邪魔をした。柳は「心配しなくても、菊池のケツはみていない」と笑う。
18歳のエージェント試験を目前に、柳は弟のカンタを連れて姿をくらませる。
組織にも鷹野にも柳の行方を掴むことはできなかった。
鷹野は柳の代わりにエージェントの試験を受けることになった。
それは、修学旅行で東京に来た日のことだった。菊池詩織は、修学旅行先の旅館からこっそり抜け出す鷹野の姿を目撃。
鷹野の任務はとあるビルに入り、データを盗み出すことだった。そこで鷹野はデータを横取りにきたデイビッド・キムと初めて相対することとなる。
島に戻ってきた鷹野は菊池を連れてお気に入りの滝へ向かう。
そこで、鷹野と同じように菊池にもまた捨て去りたい過去があることを知る。
しかし、鷹野は菊池との交流を深める前に、AN通信のエージェントとして東京に向かうことになってしまった。別れの言葉も伝えられないままに。
あらすじ【現在の鷹野①】
鷹野はAYAKOの正体も産業スパイであることを突き止めた。
AYAKOは日本の大手電機メーカー・METの取締役・河上満太郎と接触していた。
山下も河上と会っていたことから、鷹野は河上の元へと足を運ぶ。
鷹野は山下の死を隠したまま、山下の任務を引き継いだことを告げる。
河野はAN通信についての情報も持っていた。METはCNOXとの間に立ち上がっている、太陽光発電を利用した共同事業提携のプロジェクトの遂行を見届けてくれるよう伝えた。
なお、河上と妻の間には、マニラ赴任時代に身代金目当てで誘拐され、戻ってこなかった当時4歳の息子がいる。生きていれば今の鷹野と同い年くらいだという。妻は4歳の息子のことを想いながらオムライスを作り、鷹野にふるまったが鷹野は手を付けずに帰っていった。
※
鷹野と田岡はCNOX本社のサーバールームへ侵入。データを盗み出そうとする。デイビッド・キムの邪魔が入ったが、鷹野はデータの入手に成功。
データの中にとある座標が示されており、それはタクラマカン砂漠のとある場所だった。
鷹野と田岡はヘリコプターで現場に飛ぶ。そこには、次世代太陽光発電施設、レクテナ基地があった。
そこで、鷹野はCNOXの太陽光発電は表向きの計画であったことを知る。本当の目的は、その太陽光の技術を利用し、「次世代太陽光」として、集めた太陽エネルギーを衛星に届けてマイクロ波に変え、地上で受信し軍事利用することにあったのだ。
鷹野たちのヘリは撃ち落され、CNOXの息のかかったものたちに鷹野は捕まる。
拷問を受け、胸のチップが発動。爆破直前に田岡がジープで救いに来て、鷹野は一命をとりとめた。
一方、鷹野たちの知らないところでAYAKOとデイビット・キムとは接近していた。
デイビット・キムはAYAKOをインドへと連れていき、太陽光パネルに塗れば従来の10倍の電力量になるという新塗料を紹介した。それを発明したのはまだ15歳の少年だった。
あらすじ【現在の鷹野②】
鷹野は荷物に紛れて再びMETの河上邸を訪ねる。
CNOXの真の目的と、山下が死亡したことを話し、提携をやめてほしいと頼む。
しかし、日本では一度発動されたプロジェクトの取り消しは難しいため河上は難色を示した。
鷹野は前回は手を付けなかったオムライスを食べることで歩み寄った姿を見せ、河上邸を後にした。
さて、レクテナ基地稼働のためには、太陽光発電技術とは別に、「マイクロ波を地上へ送る技術」も必要となる。
その技術研究の第一人者は、日本人の小田部教授。しかし、その技術は日本では受け入れられなかったため、今はブルガリアのソフィア大学で研究を続けていた。
小田部教授の娘経由で、デイビット・キムは接近。すっかり教授と親しくなっていた。
デイビッドは小田部教授を電車でロシアに連れていき、その技術を中国ではなくロシアに売ろうとしていたのだ。
ウォンはそれに気が付き、娘を拉致。また、小田部教授のことも武力で阻止しようとする。
鷹野と田岡は小田部教授を救うため、電車に飛び乗って、ウォンの送り込んだ一味と戦う。
しかし、小田部教授と娘とは船に連れ去られてしまった。
計画が没になったと知ったウォンは、中国政府からの摘発をさけるため、荷物と小田部教授を海に沈めようとしていたのだ。
救い出そうと乗り込んだ田岡も、ウォン一味の手によっていたぶられ、鎖でつながれる。
沈没寸前の船から、教授親子と田岡を救い出したのは鷹野だった。
そして、船から抜け出し海に漂う鷹野たちをヘリコプターで助け出したのはデイビット・キムだった。
なぜ助けたのかと訝しむ鷹野に、デイビットは「雇い主の命令だから」と答える。
そして、雇い主からの伝言も鷹野に伝えた。「本当はあの時彼女のケツを見たってよ」
なんと、デイビットの雇い主は18歳のときから音信不通の親友、柳だったのだ(それ以上のことは明かされない)。
あらすじ【結】
ウォンとの契約を無効にした河上は、鷹野たちに指令を送っている男、風間武の屋敷へと乗り込んだ。
そこで風間は鷹野の過去を伝える。
鷹野は幼少期、ネグレクト(育児放棄)されていた。ほかに男を作った母親が、外からガムテープを貼り家から出られないようにして、鷹野とその弟を捨てたのだ。
近所で火事があったため、鷹野は餓死寸前で保護された。弟はすでに餓死していて、胃の中にはビニールやプラスチック、布団の綿なども入っていたという。鷹野は弟を死なせてしまったことをずっと気に病んでいた。
風間は鷹野たち虐待された子供が再び親の元に連れ去られて虐待されないように、死亡したこととして、名前を変え、AN
通信のエージェントとすべく育てていた。
そんなある日、鷹野は部屋を全てガムテープでふさぎ、幼少期の様子を再現して部屋に火を放った。
幸い、風間が救出したが、その時に足に梁が落ちてきたため、風間は車いす生活を余儀なくされている。
その時に伝えた言葉が「一日だけでいい、生き延びろ」だった。
鷹野は今でもその言葉を胸に「たった一日」を生き延びる覚悟で生きているのだった。
ウォンのたくらみは露見して、CNOXは解体。
小田部教授はMETと提携し、共同開発が決まる。そのさい、インドの少年・ラジーヴの塗料も提携先として発表されたが、なんと少年の隣に、AYAKOが研究員風情の姿で微笑んでいるのだった。
全てに片が付いた後、とあるホテルにいる鷹野にデイビットが「あなたはこのままでいいのですか?」と声をかけた。
鷹野は階下に目を向ける。鷹野は、すっかり大人になった菊池詩織が友達たちと談笑している姿をみて「今の私はどこにでも行けますから」と答えるのだった。
そして、鷹野はホテルから出ていく。その後ろ姿を見た詩織が「鷹野君?」と驚きの声をあげるが、鷹野は振り向くことはなかった。
映画「太陽は動かない」感想
邦画のアクションものって、ほんのちょっと前まで、CGがチープだったり、海外ロケとはいえ「観光地の紹介」に偏っている――と思うものも結構あるんですが、こちらの作品はそんな心配不要!
洋画のスパイアクションが大好きで、かなりの数を観ている私ですが、こちらの作品もそれらに迫る勢いで充分に楽しめる作品に仕上がっていました。
よくあるアクションものの「結局見どころは予告シーンだけだった」ということはないので、アクション映画が好きな方に自信をもっておすすめしたい一本です。
予習していなくても、冒頭のシーンでしっかり説明があるので安心。
また、藤原竜也、竹内涼真の演じるキャラクターも彼らが多くの作品でイメージする姿そのもので、たとえドラマを見ていなくてもすんなりとストーリーに入っていけますよ。
子供時代と現代とをオーバーラップさせながら見せられることで、ヒューマンドラマとしても奥の深いものになっていて、主人公の鷹野に自然に共感できるところも良かったです。
皆さんの感想です。
ドラマを見てなくても大丈夫。
ドラマを見てさらに楽しめた。
アクションが豪快。
アクション以外の部分も見ごたえがある。
という、感想が並んでいます。
ドラマ「太陽は動かない」も気になる!というかたは、こちらの記事で詳細がわかります。
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