「サイレント・トーキョー」あらすじ【結】
果たして、真犯人は須永の父親ではなく山口アイコだった。
山口アイコは過去夫は戦争で大変な目にあったというのに、そんなこともお構いなしに、この国が戦争に向かおうとしていること、そして国民が無関心なことに我慢できないのだった。
須永の父親はそんなアイコと車で出かけ、爆弾の解除コードを聞き出す。
そして、レインボーブリッジの爆破を防ぐためにアイコと共に東京湾へと沈んでいったのだった。
世田と、須永の目の前で。
山口アイコは東京タワーが見えるレストランにいた。
そこに、黒い鞄を持った朝比奈仁(佐藤浩市)がやってきて、「このコースは私が考えていたものなんですよ」と伝える。
どうやら、東京タワーの後には、レインボーブリッジがあるらしかった。
そして、朝比奈は自衛官時代の山口の夫の部下であった。
そのレストランに、世田が踏み入ってきて、朝比奈に東京タワーの爆弾の解除コードを伝えろと迫った。
朝比奈は今は山口アイコと話がしたいから邪魔をするなという。
世田の後ろから須永が顔を出した。「お父さん、やめてくれ。母はもうすぐ再婚する。やっと幸せになれるんだ。せめて迷惑をかけないで欲しい」と須永は訴えるが、「お前は誰だ?何を言っているのかさっぱりわからん」と朝比奈は切り捨てた。
場が膠着してしまった。山口アイコが口を開いた。
「では、レインボーブリッジに行くまでの車の中で私は(朝比奈に)全てを話します。この話が終ったら、朝比奈が世田に解除コードを教える。それでいいでしょう?」
朝比奈の運転で、山口と二人車を走らせる。
その後ろに、世田と須永は車をつけた。より後ろにも警察車両を従えて。
車の中で山口は語った。
夫の目の前で、わざと地雷を踏んで死んでしまった現地の女の子のことを。
彼女は、死ぬ間際、自衛隊のせいで戦争が続き、母と弟が死んでしまったと叫んだのだった。
それは、朝比奈や山口の目の前で起きたことだった。
帰ってきた山口も朝比奈も衝撃を抱えきれずに荒れた。
須永の元に朝比奈から電話がかかる。朝比奈は須永の父親であることを伝え、母の再婚を喜び、解除コードも伝えた。
これで、東京タワーの爆弾は無事解除されたのだった。
さて、アイコの話は続く。ある日山口はアイコに告げる。「明日から学校を始めよう。僕が先生で君が生徒だ」
そうして、山口はアイコに自分が持っていた爆弾の知識を、時間をかけて全て伝えた。
ようやく全てを伝えきったその日、山口はたくさんビールが飲みたいと言った。次にアイコが見たのは、夫が首をつって自殺した姿だった。
失意に打ちのめされたアイコは、引きこもるようにそっと暮らしていた。
しかし、夫の命日を前に外に出たアイコが見たのは「この国が戦争のできる国にする」と言った首相の姿だった。
国民の無関心さ、そして首相の横暴さに腹を立てたアイコは今回の爆破計画を立てたのだった。
首相の、そして日本国民の目を覚まさせるために。
世田の目の前で、朝比奈の運転する車が大きく曲がった。そして、レインボーブリッジの柵を飛び越えて、車が海に落ちていく。同時にその社内では大きな爆発が起きた。
朝比奈は、自分の命とアイコの命とを引き換えに、レインボーブリッジの爆破を回避したのだった。
結局、朝比奈と事件との関係は報道されず、事件は真相がわからぬまま犯人の死亡で幕を閉じた。アイコは、犯人に連れ去られたかもしれない女性として、行方不明と報じられている。
須永は、いまだ爆弾で負った怪我で入院している綾乃を見舞うため、花束を買い求めるのだった。
「サイレント・トーキョー」感想
全体としてはハラハラドキドキして雰囲気があってよかったです。
渋谷の爆破シーンに力が入っているのはわかりましたし、ああいう大掛かりなロケはコロナの影響でもしかしたら今後しばらくできないかもしれないので、貴重だなと思いました。
また、爆破シーンの映像がちょっとキングスマンの教会皆殺しのシーンの表現方法と似ていて、えぐいんだけど視覚的に耐えられるのも好ましかったです。(この辺は個人差があると思うので。それなりに結構残酷な描写ではあります)
また、なかなか犯人が誰だかわからない展開も、ストーリーにぐいぐいと話に引き寄せられていきました。
でもねー、本当、申し訳ないんですけど、ここだけ私の残念ポイントだったんですけど、犯人の動機が自分勝手すぎて閉口しました。
例えば「今まであれこれ社会に働きかけてきて、それでも世間は無関心だった。ロビー活動も政治活動も頑張りました。でも、今の総理の耳には届かない。」そのくらいの年月をかけた報われない苦労があるなら、まだわかります。
しかし、目の前で現地の少女に恨まれながら自殺されたせいで心の傷を負ったとはいえ、山口はその傷を世間に見せないまま自殺。アイコもそのことを公表せずにここまで長い間そっと生きてきたんですよね?
それを「日本国民に戦争がどのようなものか思い知らせるために爆弾を仕掛けた」とか言われても。
うーん……。あんまり国民に通じないんじゃないかな? 結局自衛隊時代の話も世間には公表しなかったわけですし。
ちょっとその発想が唐突すぎてついていけませんでした。
あと、東京の一部を爆破しても「日本国民全員」がダメージを受けるとは限らないと思う地方民です……。東京イコール日本全土ではないよ? 視野が狭すぎない?
いや、ごめんなさい。単に私が、石田ゆり子さんにはうっかり事件に巻き込まれた被害者であって欲しかっただけかもしれません。
原作未読ですが、原作ではもう少し掘り下げてあるといいなと期待しています。
あと、佐藤浩市主役なのに、そんなに出てこなかったのが淋しかったです。
出番少なくても、存在感や重みはありました。あったけれども……。もっとみたかったなぁというのが正直な感想です。
また、過去の映像が別の俳優さんたちで演じられているのも混乱させる一因でした。大人になってからのストーリーなので、別の俳優さんに変える必要なかったんじゃないかな……と思います。ミスリードを呼ぶためだったのかもしれませんが、そんな必要なかったと思う……。ミスリードというより、ただ困惑しただけでした。
西島秀俊は、割と期待通りの刑事役なので、そっちの方が見どころかもしれません。
あ、世間を賑わすIT起業家を演じる中村倫也の謎めいた姿も良かったですよ!
以下、俳優さんごとの感想です。画像は公式サイトより引用させていただきました。
佐藤浩市(朝比奈仁)

冒頭から何かワケアリな感じで真っ黒い鞄を持って出てくる佐藤浩市。
存在感があるので、このミステリアスな雰囲気はぴったりでした。最後ももちろん美味しいところを持っていく感じでいいんですけど、中盤全然出てこなかったので淋しかった。
観終わってから佐藤浩市が「主演」って知ってめっちゃ驚きましたもん。佐藤浩市目当てだけで観たら、ちょっと物足りないかなぁ……。もっとたくさん出てほしかった。ミスリード狙いかもしれないけど、過去シーンを本人が演じてくださったら、この不満は解消できたと思うんだけどなぁ……。
石田ゆり子(山口アイコ)

石田ゆり子、個人的にドラマ「静かなるドン」に出演されていた時から、大好きな女優さんなので見入っちゃいます。今回は、事件に巻き込まれた一般主婦役でお話が始まります。
クリスマスの雰囲気たっぷりの冒頭の買物シーン、すごく好きでした。一緒に買い物したい!
実は、私、予告の時点で、勝手に「西島秀俊と石田ゆり子は夫婦役」って思い込んでいたんですよね。西島さんが命を懸けて仕事をしているのを、ハラハラしながら待つ石田ゆり子……っていう勝手な筋書きを脳内で決めつけていたので、全然違ってびっくりしました。なお、西島さんと石田さんのインタビュー記事でも「今回は夫婦役ではなかったので驚いた」という言葉を見つけたので、二人の共演=夫婦役かも?って思うのはご本人たちも同じなんですね。ちょっと安心(笑)
出演時間も長いですし、いつもとちょっと違う石田ゆり子が見られたことも嬉しかったです。できれば、過去シーンも石田さん本人に演じてほしかったよー。
西島秀俊(世田志乃夫)

西島秀俊が刑事役だと、安心してしまうのはなんなんでしょう……(ただのファンです。はい、料理人でも医者役でも西島さんが見られるならなんでもいいです。)
ヘビースモーカー、奥さんとは離婚。安定の西島さんです。ちょっとMOZUを彷彿とさせます。また観たいなぁ、倉木さん。
気になる首の傷については、過去(10年前)に誰かに逆恨みされてつけられたみたい。心の中でその傷を抱えているようです。(小説読めばわかるみたいだですが映画では語られないのでわかりません。インタビューによるともちろん、本人はその過去を抱えて演技をされていたとのことです。)
アクションシーンもあるし、協調性ないわりに正義感に溢れているし、「偶然にも」世田の元に必要な情報が必要なタイミングで次々手に入るし、バディは大けがするのに隣にいた西島さんは軽傷で済むし……
で、てっきりエンドロールが流れるまで、西島さんが主役なのかと思い込んでいました。(映画視聴前に詳しい情報を調べないタイプなんです)
結局は佐藤浩市主演なのですが、西島さん目当てで観ても十分満足できる作品だったなあ。個人的には世田の過去を、もっと掘り下げたいところです(はい、近々原作小説を読みたいと思います)
中村倫也(須永基樹)

ミステリアスな売れっ子IT企業家。
雑誌の表紙に乗るくらいの売れっ子IT企業家らしいんだけど、尺の関係でふわっとしていて詳しいことがわからないのでいまいち凄さが伝わってこないのは残念でした。
でも、出演時間長いし、ミステリアスなところが多い割にきちんとその謎もとけていくし……、と、落としどころがはっきりしている素敵な役どころでした。中村さんにぴったりだなって思いながら観てました。
「サイレント・トーキョー」口コミ
Twitterで、皆さんの口コミを見てみました。
本当、一つ一つをもう少し掘り下げてほしかったです。
99分、短すぎるー。
こちらは既に原作を読まれている方の感想です。やっぱり、犯人の思想と動機の掘り下げ不足感は否めませんよね。
舞台挨拶生中継付きは羨ましいの一言。たしかに、ただのエンタメ映画と思ってみると、伝えたいことをきちんと伝えていて良かったです。スクランブル交差点のシーンは、圧巻でしたね。





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