劇場版MOZUあらすじ【起】
倉木は妻子の死因が分からないまま、バーで酔いつぶれる日々を過ごしていた。
世の中には、「多くの未解決事件に関わっている」とされる「ダルマ」の都市伝説がはびこっていた。
とある日、2件の同時多発テロが起きた。
高層ビルを襲った犯人、権藤は5億ドルを日本政府に要求する。
同時にペナム共和国大使館襲撃事件が起きたが、そちらの事件は偶然近くに居合わせた倉木が撃退した。
倉木は、バーで飲んでいる途中酔いつぶれて妻子が生きていた頃の懐かしい夢を観ていた。しかし、二人が殺された場面で目が覚める。
うなされていた倉木にバーテンは「ダルマの夢を見たのか?」と問う。
ダルマというのは、ダルマのような姿をした男のことでそれが最近色々な人の夢に出てくると話題になっていたのだった。
また、ダルマに関しては大きな未解決の多くの事件の裏に関わっているのでは? という噂も出ているが、その実態は謎のままだった。ダルマの真相にたどり着いた人間は誰一人としていない。
明星 美希(真木よう子)は実家に寄っている。美希の妹はもう父親が死んだのではないかというが、美希は無言電話が続く限りは父親は生存しているのだと確信していた。
警察をやめて探偵事務所を開いている大杉 良太(香川照之)は、なかなか宝石店に入れず悩んだ末、美希を呼び出した。娘への誕生日プレゼントのネックレスを買いたかったのだ。
二人は、娘の元へと車で向かう。その途中、新宿のとある高層ビルで拳銃を持った男たちが立てこもりをはじめていた。大勢の人質をとりつつ、一部の人間を迷うことなく撃ち殺していく。
主犯の男は権藤(松坂桃李)と言い、彼らは人質をたてに、日本政府に5億ドルを要求した。
現場には津城(つき)警視正(小日向文世)も駆けつける。犯人の中に警察内部の人間もまぎれており、津城はそのことが明るみに出る前に消さないといけないというのだ。
また、同時にペナム共和国大使館襲撃事件が起きた。その事件をニュースで知り、偶然現場近くに居合わせた倉木は、車の中からとらわれていた母子を救出する。
犯人グループの電話に権藤から電話がかかってきた。倉木がそれを取ったことで権藤は異変に気付き高層ビルから撤収する。
倉木はとっくに現場を立ち去っていた。傷だらけの母親は搬送前に、娘・エレナ(マーシュ彩)を大使館に連れ戻すようそこに居合わせた美希に頼む。しかし、大使館は封鎖されていてエレナを送り届けることはできなかった。
美希を現場に送った大杉は、一人で歌を口ずさんでいるエレナと出会う。
犯人グループは、新谷の模倣犯だった。
犯人グループは倉木のことを監視カメラで特定。どうやらもともと倉木は「次の歯車」であることが、ここで判明する。
劇場版MOZUあらすじ【承】
大杉の娘めぐみとエレナそして赤星美希は、犯人グループに拉致。
ダルマにたどり着いたと思われる津城は、自殺に見せかけて殺された。
倉木の元へ、犯人グループの一味である高柳から電話が入る。人質交換のため、ペナム共和国へ来るよう呼び出された。
赤星も倉木が現場から立ち去ったことに気づき、倉木と会った。
エレナを警察で保護することを母親は拒否したので、エレナは今、大杉の事務所で一時的にかくまっていた。
母親はペナムのスラム街出身。10年前に日本の大使館に娘と共に保護を求めておりそれ以来一度も出ていない。エレナの父親は日本人と思われるが誰かはわからない。
赤星は倉木に共に調査することを依頼するが、倉木は協力を断った。
病院で意識不明だった母親は、変装した犯人によって殺される。
さて、大杉は娘のめぐみ(杉崎花)にプレゼントを渡すために新宿西口にいたが、めぐみは大杉の事務所に入っていたのだ。
事務所にはほかに刑事が二人いた。そこに、新谷宏美にあこがれている権藤がやってきて、刑事二人を惨殺。めぐみをさらっていった。
エレナは美希のところに預けていた。
倉木は美希のところに行くも美希の姿はなく、浴室に血で浴槽から突き出された両足が描かれていた。
倉木は、その絵を見て、これが娘雫の死と深くかかわっていることに気が付いた。
倉木は津城から「この件に関わるな。私はもう関わらない」と止められていた。「私はダルマにたどり着いてしまった」ともいう。津城に詳しいことを聞こうと倉木は津城の元に駆け付けたが、津城は自殺していた。倉木はそれを見て「津城警視正は自殺に見せかけて殺された」と断じる。
倉木はこれまで、公安から監視されていたことに気が付いていた。鳴宮(伊藤淳史)と話しているところに、美希の携帯から電話が鳴る。
出てみると電話の相手は「高柳」と名乗り、何故か倉木のことを「MOZU」と呼ぶ。
高柳は、めぐみと美希を人質に取り、エレナと交換しろという。「エレナの父が会いたがっている」と。
高柳は津城のことを殺害したことも認めた。エレナの父こそが、一連の犯罪グループのボスなのだ。
高柳は倉木をペナム共和国へと呼びだした。
劇場版MOZUあらすじ【転】
ペナム共和国で、倉木はダルマの正体が元日本の首相を務めたこともある吉田駒夫と知る。
倉木は先を急ぐため街中で発砲し犯人グループにわざと捕まる。車内でいたぶられているところを東に助けられる。
一方大杉は、瀕死になりながらもなんとか娘を連れ出すことに成功。
倉木はダルマ、こと吉田駒夫と直接対面。エレナは瀕死の吉田駒夫の娘であり、一番適合していたので吉田の臓器提供者として利用するべく誘拐されたことが明るみとなった。
倉木は、明星を人質に取られ「次の歯車」になることを強要された。
倉木と大杉、村西はエレナを連れてペナム共和国へ着いた。
そこで、エレナの首にはバーコードのような印があることに気付く。
ペナム共和国には同じようなコードを刻まれた子供たちが多数いた。
実は、ダルマの正体は吉田駒夫。吉田駒夫は第二次世界大戦後、アメリカと武器商人としてつながりを持ち、その後は右翼などともつながり、最終的には日本政府すら恐れる強大な権力を手に入れていた。
吉田は表向きには死亡したこととされていたが、実はダルマとして国内外の多くのことを裏で操り続けてきたのだった。
そんなダルマも90歳となり、今は医療機器へつながれている。そのダルマに「健康な臓器」を提供するために作られているのがエレナをはじめとした多くの子供たちなのだ。
なかでも、今はエレナが一番の適合者とされている。それで、ダルマたちはエレナを欲しがっているのだ。
大杉は、我が娘を助けるためエレナを連れて決められた場所へと向かう。なんとか娘もエレナも助け出せたと思ったが、一転、権藤によって娘をアイスピックで殺されかける。危機一髪、の、その時。自分の模倣をされていることに腹を立てたのか、新谷和彦が現れた。
これこそが、権藤の狙いの一つ。権藤は新谷宏美に陶酔しきっており、兄和彦を殺すことで新谷宏美という芸術が完成できると考えていた。権藤と新谷は死闘を繰り広げ、結果、権藤は新谷に殺される。
また、そのことにより、結果的に大杉・めぐみ・エレナは助かった。
一方、村西は組織が送り込んできた敵であった。
倉木は事態を進めるべく、市内で拳銃を撃ってペナムの警察に捕まろうとする。その直前、犯人グループたちが倉木の身柄を拘束した。警察の手に倉木がつかまってしまえば、自分たちの手出しが難しくなるからだ。
犯人グループは、倉木をいたぶりつつダルマの元へと移送していた。しかし、その車に別の大きな車が派手な音楽「新世界より」を流しながらぶつかってくる。
なんとそこに乗っていたのは東だった。東は倉木を犯人グループの手から救い出す。
しかし、その東もまた倉木がダルマに会うことを望んでおり、ぼろぼろの倉木の姿を楽しそうに写真に収めた後、ダルマの連絡先を教える。
東にとって「ダルマとは世界の均衡を保っている存在」その存在がなくなったとき、世界は混沌に陥る。その混沌とした世界を見たいがために「(ダルマを)復活する前に殺せ」と倉木に言い放ったのだ。
はたして、倉木はダルマの元へとたどり着いた。
ダルマは医療機器につながれていて、なんとか一命をとりとめていた。高柳もそこにいて、二人は倉木の娘を殺害したことを暗に認める発言をする。
ダルマは「歯車」とよぶ自分の息のかかった人物を国の要所に点在させており、それで世界を支配していたのだ。
ダルマは倉木にも「歯車」になるように命じた。明星の命を人質にして。
劇場版MOZUあらすじ【結】
倉木は日本へと帰っていた。
実は、明星も倉木の監視を強要されていたが明星はそうだと告げることができない。
倉木は屋上で、高柳・ダルマと会う。ダルマはエレナの内臓を移植して命を繋いだのだ。
ダルマは屋上から東の運転するヘリコプターで逃げだすが、後日墜落したと報道される。
ヘリを運転していた東は生き延びており、倉木と語る。
明星と大杉、倉木の三人でディナーを予定していたが倉木だけが現れない。
そんな倉木の元に一本の電話がかかり、物語は幕を閉じる。
ペナム共和国より帰国した倉木は重要なポストへと出世する。
ペナム大使館はロケット弾に狙撃され、エレナは再び行方不明になった。
実は、同じく帰国した明星も倉木の監視、そして倉木が暴走したら殺害して止めることをダルマたちにより強要されていたが、明星は倉木に問いただされても、その事実を告げることができないでいた。
なぜなら、それを話すと明星の妹とその子供たちに危害が及ぶからだ。
東は、倉木に「化け物が復活した」と告げた。
とある夜、ビルの屋上で倉木は高柳と対峙する。
真実が知りたいがあまり屋上に火を放つ倉木に、高柳は今後の展開を話した。
倉木は今後公安部長となる。そして、東京オリンピックのある年に、倉木と同じように国内の様々な場所に配置された歯車たちが一斉に動き出し、この国はまた新たな変革が訪れる、というのだ。
ここで、倉木の娘である雫の死はダルマの仕業であったことも明かされる。倉木の妻、千尋を完璧な歯車にするため、千尋の目の前で雫を殺害したとのことだった。
怒りに震える倉木を、高柳は「歯車不適合者」だと切り捨てようと腹部にナイフを投げる。
そこに、元気になったダルマも現れた。エレナの臓器をいくつも移植したのだという。倉木の腹を蹴る。
しかし、倉木は腹に刺さったナイフを抜き高柳の足にさして、首をへし折った。
「夢で逢おう」という言葉を残して、ダルマは迎えに来たヘリコプターに乗る。ヘリを操縦していたのは東だった。
翌日。国籍不明のヘリコプターが墜落し、身元不明の三名の遺体が発見されたというニュースが流れる。
鳴宮の映像解析により、大杉はそのヘリに東とダルマが乗っていたことをつかんでいた。
真実を聞きたくて、明星、大杉の二人はイタリアンレストランにいるが、いつまでたっても待ち合わせをしていた倉木は現れない。二人は倉木には電話をかけずに、ワインを飲む。
一方、一人でいる倉木の元に電話が入る。「倉木だ」と電話に応じる彼の口元には笑みが浮かんでいた。
「劇場版MOZU」感想・考察
さりなの勝手に評価 ★★★★★★★★☆☆(8/10)
ドラマ、それもシーズン1はものすごく好きだったので、映画としての評価も甘めです。全然知らない映画の単独作品だったらもう少し星は少な目かな……
いやもう、チャオ東の溢れる倉木への愛の評価だけだったら星10なんですけど!
東がどうして「ダルマのところに連れていかれる倉木」を助けて「ダルマのところに導いたか」がわかるまでに3回見直しましたもん。(東のテンションの高さに引きずられて、なかなか理解が難しかった)
なるほど。直接ダルマの元に連れ去られて倉木が歯車にされる前に、「ダルマを殺せ」と倉木に言いたかったんだ、ってようやくわかりました。(もちろん人によって解釈は異なるかと思います)
倉木は飲んでばかりでダメな人……と、思いきや、それは「公安に監視されていたから」っていう理由があったり、
途中で急に街中で発砲をはじめてやばい人にしか見えませんが、それも「いち早く犯人グループに捕まるため」っていう理由があったり。
そういうところがかなり好きです。劇の中の劇、というんでしょうか。本当の倉木はどういう人なのかさっぱりわからずじまいでしたね。
ところで、なんだかんだ倉木に付きまとう東についてもいろいろな解釈ができますよね。
東を演じた長谷川博己さんの推測はこうです。
倉木に執拗(しつよう)にまとわりつく東の心理については、「硬派な倉木にも、きっと人間的な部分があるはず。それを東が『なぁ、本当は俺みたいやりたいんだろう?』と挑発し、彼の殻を突き崩したかったのでは?」と推測する。
シネマトゥデイ
別に人として「好き」というわけではなかったんですね。硬派な倉木の殻を突き崩したい衝動が湧き上がる思いとはいったい——。
など、考えるときりがなさそうなのでこの辺で。
MOZUの考察と言えば、話の最後、倉木のところに電話がかかってきますよね。
あれが「誰からの電話なのか」という考察ももちきりですよね。
レストランで待っている明星か大杉からなのか。
はたまた、東からなのか——
全てがはっきりしない余韻があるからこそ、見終わった後もいつまでもあれこれ語りたくなる作品。
私は、それこそが、この劇場版MOZUの良さだと思っています。
「劇場版MOZU」が動画配信されているサービス一覧
配信サイト (タップで公式へ) | 配信状況 | 無料トライアル期間 |
U-NEXTで 無料お試し | 見放題配信中 | 31日間 |
Amazonプライム ビデオで無料お試し | 見放題配信中 | 30日間 |
Netflixで観る | 見放題配信中 | なし |
Hulu | 見放題配信中 | なし |
dTVで 無料お試し | レンタル配信中 | 31日間 |
【TSUTAYA TV / TSUTAYA DISCAS】 で無料お試し | レンタル中 | 30日間 |
コメント