映画「悪の教典」は、2012年に公開されたサイコパスホラー。ベストセラーとなった貴志祐介原作「悪の教典」を三池崇史監督が映画化。学校で教師が生徒を皆殺しにしていくという、なかなか猟奇的な映画ですので苦手な方はご注意ください(R15+)。

毎年約150本の映画を観る
映画好きなさりなが
「悪の教典」
ネタバレあらすじ・結末・感想について
お話しします。
「悪の教典」作品情報


悪の教典 | R15+ |
公開日 | 2012年11月10日 |
上映時間 | 128分 |
監督 | 三池崇史 |
原作 | 貴志祐介 |
キャスト | 伊藤英明 二階堂ふみ 染谷将太 林遣都 山田孝之 平岳大 吹越満 |



「悪の教典」はサイコホラー
血しぶきがたくさん飛び散る系なので
苦手な人はご遠慮ください



とはいえ、
ホラー全般苦手な私も
こちらの映画は大丈夫でした
(原作を読んだ後
映画を観ました)
「悪の教典」出演者(キャスト)
蓮実聖司(伊藤英明)
私立晨光学院町田高校で英語科兼生活指導部を担当する教師。文系クラスである二年四組の学級担任であり、ESS(英会話部)の顧問も務める。女子生徒やPTAからも絶大な人気を誇っている。愛称はハスミン。
片桐怜花(二階堂ふみ)
二年四組の生徒。鋭い直感を持っていて、生徒に絶大な人気を誇っている蓮実のことを密かに疑っている。
安原美彌(水野絵梨奈)
二年四組の生徒。クラスの女子の中のリーダー格だが、なにやら深刻な悩みを抱えている模様。
夏越雄一郎(浅香航大)
二年四組の生徒。片桐のことが好き。
「悪の教典」あらすじと紹介(ネタバレなし)
☑ 高校を舞台にしたサイコホラー映画。三池監督らしい、派手で猟奇的な殺戮シーンがポイントです。
学校やPTA、生徒たちから絶大な人気を誇る高校教師、蓮実。しかし、彼は生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)という裏の顔を持っていた……。ある日、ほんの些細なミスを犯してしまった蓮実は、それを隠ぺいするためクラス全員の殺害を決め実行に移すのだった。
学校を舞台に人気教師が次々と自分が受け持つクラスの生徒を殺すという、なかなか怖い設定のこの映画。
伊藤英明、表の顔と裏の顔を持ち器用に使い分けるハスミンとしてかなりハマっているので、サイコパスな伊藤英明を観てみたい方にオススメ。
「悪の教典」に伊藤英明が抜擢された理由
伊藤英明と言えば、「海猿」で好青年を演じたイメージが濃いですよね。
しかし、実は伊藤英明は「どうぶつの森」を2台持ちでやっていて、1つは良い村、もう一つはとてもどうぶつの森とは思えないようなすさんだ村を作っていたのです。
それを知った三池監督が「こんなにも裏表ある人がいたんだ」と感動して、伊藤英明を悪の教典の主人公に抜擢したというエピソードがあります。



すさんだ「どうぶつの森」っててどんな村なのかしら?
知りたいような、知りたくないような……
「悪の教典」あらすじ(ネタバレあり)
「悪の教典」あらすじ【起】
【プロローグ】
蓮実聖司は14歳。両親は息子が共感能力が低いこと、そして、証拠は残していないが教師たちを殺していることに気が付いた。警察に突き出そうかと話し合っているところに、ナイフを持った聖司が足音を殺して静かにやってきたのだった——。
レコードから流れる曲は「メッキー・メッサーのモリタート」だった。
【職員室】
学生たちがカンニングすることに教師たちは頭を悩ませていた。どうやら、机の下で見えないようにスマホを使って情報を流しているらしい。
蓮実は釣井先生(吹越満)に頼んで電波を流し、スマホを使えないようにすることを提案したが、電波法違反になると却下されてしまった。
【2年4組で英語の授業】
蓮実は女子生徒たちに大人気で「ハスミン」と慕われている。
蓮実は英語の授業で、「Good」(良い)「 Great」(もっと良い)「Excellent」(素晴らしい)「Magnificent」(感動的に素晴らしい) について生徒たちに説明する。
【プールサイド】
学校の中のプールサイドで、片桐怜花(二階堂ふみ)、夏越雄一郎(浅香航大)、早水圭介(染谷将太)の三人が集まって会話を交わしている。
その中で圭介は自分がカンニングの首謀者であることを暴露した。
【会議室】
清田梨奈の父親、清田勝史が、タバコを吸いながら「いじめをもみ消すな」と、かなり声を荒げて蓮実に詰め寄っている。蓮実は穏やかに父親をなだめるが、清田はますます激昂した。
【職員室】
釣井が蓮実のことをサイコパスであると疑っている描写が入る。
【早朝】
ジョギングする蓮実。平屋に住み、愛車はトラクターであることがわかる。
【学校】
学校の屋上の鍵が壊れていて、外からしか閉められない。教師二人で修理しているところに女生徒たちがきて、蓮実に「美彌がセクハラされているみたい」と告げた。
【蓮実の車内】
蓮実は、安原美彌(水野絵梨奈)から、「教師である柴原徹朗(山田孝之)に万引きが見つかり、身体を要求されたこと」を聞き出した。蓮実は美彌に、「先生も淫行条例で捕まるらしいよ」という趣旨のメールを柴原宛に打たせた。
【学校】
いよいよ期末テスト当日。
蓮実たちは生徒から携帯電話を集めた。しかし、数人は携帯を忘れたと嘘をつき提出しない。よって蓮実は同時に妨害電波を出し学校を圏外にした。
学校が圏外になったことに気が付いて、屋上で会話を交わす怜花、雄一郎、圭介の三人。通りかかった釣井は三人の話を聞き、「妨害電波を仕込んだのは俺じゃない」と伝えた。蓮実の過去に何かありそうなこともそっと匂わせる。
どうやら、釣井は、過去の教師失踪事件の犯人が蓮実であることにも気づきつつあるようだった。
【蓮実の家】
フギン(思考)とムニン(記憶)というワタリガラスが、神オーディンに様々な情報を伝えるとされる神話について、蓮実の語りが入る。
「悪の教典」あらすじ【承】
学校では、避難訓練の練習で滑り台を使ったり、さすまたを使ったり、救助方法について学ぶ生徒たち。
清田勝史が再び学校に現れ、裏掲示板を持ち出していじめはあったと主張するが、蓮実は穏やかになだめた。しかし、清田は聞き入れることなくわめきたてる。
朝のジョギングの途中、蓮実は清田の家の前に大量のペットボトルと煙草の吸殻があるのを見つけた。
授業終了後、美彌が蓮実を呼び止め屋上へ連れ出した。キスを交わす二人。しかし、どこからか何かを落とすような音が聞こえてきた。蓮実は慌てて美彌を屋上から押し出して誰がいるかを探す。屋上にいたのは蓼沼だった。
蓮実は「メッキー・メッサーのモリタート」を口笛で吹きながら、上機嫌で何かの準備をしている。
クレイマー清田の家が燃えた。火事の原因は、清田父のたばこのポイ捨て。その火が、ペットボトルにうつり発火した。ペットボトルの水が何者かに灯油にすり替えられていたのだった。幸い娘の梨奈は無事だった。
警察がその件で学校に聞き取りにやってくる。
釣井は「蓮実が一昨年まで都立北原高校にいたこと」を帰ろうとしている警察を呼び止めて伝えた。その後、立ち聞きしていた早水圭介にも同じことを伝える。
美術科の教師である久米剛毅(平岳大)のクレーン射撃に見惚れて感動しているのは、2年4組の生徒の一人、前島雅彦(林遣都)。実は二人は教師と生徒という関係でありながら付き合っているのだ。
一方その頃、蓮実は学校のあちらこちらに盗聴器を仕掛けていた。
蓮実は久米と前島が付き合っていて肉体関係があることに気づき、久米を脅して部屋を借り、そこに美彌を連れ込んだ。美彌は蓮実の背中の大きな傷に気が付いて問うが、蓮実は詳細については語らない。
さて、一方学校の一室で、圭介が、怜花と雄一郎に北原高校で生徒四人の連続自殺があったことを伝えた。しかもそれは、蓮実の在任中のことだった。怜花は圭介にこの件をこれ以上深追いしない方が良いと告げた。
三人が教室に戻ると、殴り合いの喧嘩が行われていた。どうやら、誰かが学校の裏掲示板に「清田の家を燃やしたのはタデ(蓼沼)らしい」という書き込みをした模様。不安そうに眺めながら過去を回想する美彌。美彌は蓮実に裏掲示板のパスワードを聞かれたばかりだった。
蓮実は喧嘩を仲裁し、蓼沼を飲みに誘う。ここでまたBGMは「メッキー・メッサーのモリタート」になる。
暗い部屋の中、蓮実は全裸で筋トレをしている。「メッキー・メッサのモリタート」の歌詞の和訳が流れている。
蓮実は蓼沼を殺して埋めたのだった。
カラスの鳴き声で音楽が止まる。一羽のカラスが蓮実の仕掛けた罠にかかって命を落とした。蓮実が一羽のカラスを処分するのを、もう一羽がじっとみている。その瞳は白く濁っていた。
【2-1の教室】
圭介と釣井が蓮実について話をしている。釣井は眩しい人に合うと自己嫌悪に陥るたちだが、蓮実は一見眩しい存在なのにそういう気持ちにならなかった。
そのことに疑問を感じて、釣井は蓮実の過去を調べたという。
父は開業医、東京生まれ東京育ち。しかし中学三年の一学期に京都に引っ越す。
京都大法学部に合格するも一か月で中退。翌9月ハーバード大学に留学→卒業。MBAを取得してヨーロッパ系の名門投資銀行であるモルゲンシュテルン北米本社に就職。しかし2年で退職、日本に帰国して教師となった。それが都立北原高校だった。
蓮実医院はつぶれていた。その原因は、両親が自宅に侵入した暴漢に刺殺されたからだという。蓮実本人も大けがを負った。これが蓮実が中2の冬のことだ
そこで、釣井は北原高校の連続自殺が気になってきたという。蓮実の両親が殺される前に、蓮実の中一の時の担任教師は事故死をしていた。釣井に調べることができたのはここまでだった。
なんとこの会話は全て蓮実によって盗聴されていた。
蓼沼が忽然と消えたことも、家出ではなく蓮実が絡んでいるのではと釣井と圭介の二人は考えている。そのことを聞きながら考え込む蓮実。
釣井は人の少ない電車に乗っていた。蓮実はそこに近づき、ものすごい速さで殺すと、釣井を自殺に見せかけるように吊るし、何食わぬ顔でそっと電車を降りたのだった。目撃者はいない。
翌日の朝礼で、命の大切さを語る校長。圭介は朝礼を抜け出して、2-1の教室で盗聴器を探す。コンセントに目を停めたその時「Excellent」と背後から蓮実の囁くような声が響くのだった。
ぞわっとした圭介は意を決して蓮実に問う。「お前か」
蓮実は口調を変えない。「さすがは速水啓介だ。その通り盗聴器だよ」
「お前がやったのか」問い詰める圭介に、蓮実は答えずコツコツと冷たい足音を響かせながら圭介に詰め寄ってくる。
蓮実の表情からは感情がそぎ落とされていた。圭介はナイフを蓮実に向けた。
怜花は圭介を探す。しかし、教室には蓮実しかいなかった。「圭介みなかったですか?」
蓮実は一人泣いていたようだ。「圭介? みなかったがどうかしたか?」
いつもの通り穏やかに話す蓮実。怜花は慌てて教室から出て行った。蓮実は口笛を吹く。教卓の後ろに、圭介は倒れていた。
人のいない夜の教室。蓮実は圭介をしばりあげて、危ない道具で脅す。蓮実は、圭介がカンニングの首謀者であること、そしてカンニングの協力者たち、そして釣井に聞いたことを聞き出そうとした。早見圭介は悲鳴を上げる。
蓮実はアメリカ時代を思い出していた。「メッキー・メッサーのモリタート」をジャズアレンジした、「マック・ザ・ナイフ」がお気に入りだったアメリカ時代のパートナー、クレイ。彼から銃を手に入れて、二人は組むことにした。大量に殺しを楽しんだ。最終的に、蓮実は殺人を快楽としていたパートナー、クレイを殺す。
同僚を自殺と見せかけて殺したことを警察に見抜かれた蓮実は、最終的に、サイコ・キラーとしてブラックリスト入りさせられ、アメリカから追い出されたのだった。
美彌は蓮実がシャワーを浴びている間に携帯を見る。なんと蓮実は蓼沼の携帯を持っていたのだった。
美彌は蓮実に、掲示板に書き込みをしたのも蓮実なのかと問う。蓮実は笑った。
その夜、蓮実は「柴原の奴隷でいるのは嫌だ」と美彌の名前で勝手に遺書を書いた。
「悪の教典」あらすじ【転】
【文化祭の準備中】
文化祭の準備中で生徒たちは楽しそうだ。どうやら、2-4は泊りで準備をするらしい。
柴原が宿直だった。美彌は屋上で蓼沼の携帯の写真を友達に渡してあげたらどうかと蓮実に提案する。蓮実は一瞬にして美彌を殴り、屋上から美彌を落とした。自殺に見せかけて殺害したのだ。
殺しを終えて屋上のドアをあけると、そこに永井あゆみ(伊藤沙莉)がいた。永井が美彌の靴を見つけたところで、蓮実は永井の首を絞めて殺す。
屋上で考えに耽る蓮実。
教室では生徒たちが文化祭の準備をしている。
蓮実は正彦が大変だと嘘をついて、学校に久米を呼び出した。学校は再び携帯電話が圏外になっている。もちろん蓮実の仕業だ。
柴原は久米を呼び出し、殴り倒した。
柴原はドラムのある教室で、ドラムをたたいている。生徒たち三人は大喜びでそれを見ていた。
蓮実はドラムのある教室にいた生徒三人をまず最初に射殺した。銃声に驚いて出てきた柴原のことも、蓮実は射殺する。
響き渡る銃声を不安に思った子供たちに向け、蓮実から校内放送が入った。
「不審人物が入ってきた。猟銃を持っているので出来るだけ上の方へ。屋上に避難して鍵をかけるように」と蓮実はいつもの前任の声で指示を出す。
生徒たちは、蓮実を信じる子と信じない子に分かれる。パニックになって散り散りになる生徒たち。
電話を探す子、戦おうとする子、それぞれに生徒たちは動き出す。
屋上に殺到し、開かない鍵の前で右往左往する子たち。連絡を取るために公衆電話を探すチーム。果敢に戦おうと防火シャッターを下ろしバリケードを作るチームもあった。
しかし、蓮実はクラス名簿を持って学校中を回り、「メッキー・メッサのモリタート」をジャズ風にアレンジした「マック・ザ・ナイフ」を口ずさみながら、漏れのないように猟銃を持って泣き叫ぶ生徒を一人ずつ念入りに殺していくのだった。
最後までひっそりと生き残っていた怜花と雄一郎は非常用に設置してあった避難用の滑り台から滑り降りる。しかし、蓮実はそれに気づき二人とも猟銃で撃った。これでクラス全員いなくなった。
「卒業、おめでとう」と、猟銃を片手に血にまみれた蓮実は、一人恍惚とした表情を浮かべながら英語でそっと呟くのだった。
「悪の教典」あらすじ【結】
蓮実は「生徒と不適切な関係を持っていたがそれがばれた久米が猟銃を片手に学校に侵入。蓮実に手錠をかけて拘束し発砲。そして、校舎内にいた生徒と教師を射殺したあと自殺した」というストーリーをでっちあげていた。
みあのことは「体躯教師からのセクハラを苦にして飛び降り自殺」と片付けようとした。
しかし、実は怜花と雄一郎に見えていたものは「既に死んでいた別の生徒に自分たちの服を着せたもの」で、蓮実はそうとは知らずに猟銃で撃ちぬいたのだ。
警察に生徒二人を発見されて、蓮実は驚きを隠せない。
雄一郎は蓮実がやったのだと叫ぶが警察に取り押さえられる。
保健室にあったAEDの録音装置が証拠となり、蓮実は犯人として取り押さえられることとなった。
「圭介、生きているよねえ!」というの問いかけに、蓮実は振り向き「ごめんよ、本当にすまなかった。これは全部神の意志だったんだ。頭の中に響いてきた命令でやったんだよ。4組の生徒は一人残らず悪魔にとりつかれていたんだ。これはみんなの魂を救うためだったんだよ」と説明する。
刹那、生き残ったカラスの目と同じように
雄一郎はそれをみて「蓮実はくるっている」というが、れいかは違うという。「蓮実は既につぎのゲームを始めているだ」……と。それに蓮実はMagnificentと答え、ご機嫌にマック・ザ・ナイフを口ずさむ。
実は突き落とされたみやも生きていたとわかったところで、画面に「TO BE CONTINUED」
「悪の教典」感想・評価・レビュー
さりなの勝手に評価 ★★★★★★★☆☆☆(7/10)
個人的に伊藤英明演じるハスミンのサイコパスな殺戮ぶりだけの評価なら星10です!
正直、そこを楽しむ映画だと思う。
前半の良い人を演じる場面と、後半のサイコパスなところの落差がいい。
ただ小説では、主人公の頭の中がみてとれるのだけど、映画だけだと細かいところまで読み取れないのが残念。
映画だけを見ているとストーリー的には突っ込みどころ満載なので、その辺を深く突っ込みたい人にはあんまりオススメできません。でも、もう映画観ちゃった。あれこれ納得できない。もうちょっと詳細が補完したい!という方は小説の方も併せて読むと、理解が深まりますよ。
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